|
||||||||||
![]() |
||||||||||
1999年8月10日モリサワより
|
|
市販されているプラスチック製のFDケースを用意した。 |
ATM4.5日本語版のアップグレード版で使用されていたダンボールを使用する。運良くダンボールは、ごく身近に存在した。しかし、大きすぎるので加工することにした。
ダンボールの縦部分を半分に切り取り、切り取った部分はFDがダンボール内で遊ばないように固定する機能に変更。FDプラスチックケースはビニールに入れている。
Illustratorにて宛先印刷。宅急便を使用するので書き込む必要は無いのかもしれないが。
Adobeのバージョンアップと同等の運送状態にすると、明らかに時間がかかり、時間に余裕が無ければバージョンアップ作業は後回しにすると思う。
私が感じたことだが、ソフトウエアというのは、ソフトウエアプログラムを購入したのではなく所定の金額を払い込み、『使用させていただいている』のであるから、バージョンアップ時にエンドユーザー側で荷造りを行い、運送費も支払わなければならないという仕組み自体が、納得のいかない仕組みである。使用権を購入しているのであるから、使用する為に物理的な努力を行う必要があるのかが疑問に思えてならない。以下に根拠的な例を書いてみたいと思う。
あるオーディオメーカーは、オーディオメーカー側では運送せずに、中間業者(宅配)に任せて、エンドユーザー側とメーカー側の橋渡しを行っているが、これは『購入した品物を修理する』のであるのだから、納得がいく。『購入した』という部分が重要なのである。乱暴な言い方をすれば、『商品を購入していただいてどうもありがとうございます。保証期間内であれば、無料で修理が可能です。』ということである。だから、故障をすれば、自力で購入した販売店へ持っていく作業も苦にはならず、当然の行為として行動ができるのである。
ソフトウエアの場合は、リースに近い。毎月所定の金額を払うのではないが、商品を購入していないということは間違いない。使用承諾書に目を通せば『使用権利を与える』と書かれている。
これは、ある期間内、使用できる権利を与えるということである。その期間内というのは、メーカー側が決めることができる期間なのであるから、こちら側からは何も言うことはできない。
無償バージョンアップという言葉は、明らかに使用権利が存在する期間内で使用できる言葉である。ソフトウエアを使用できる権利の無いユーザーに対しては、無償などという言葉は普通は使用しないはずである。
ゆえに、これはユーザー側に『使用権利が有効であるサービス内』に発生していると考えていい。これはサービスの一つなのである。
リースで言えば、バージョンアップに相当するサービスは、料金を払い込んでいる最中に発生するサービスである。リース終了時期に発生する最後のサービスである。
リース会社は、あるコンピュータをリースしたのであれば、そのコンピュータが故障をした場合、リース期間内であれば、代替品を用意する。これはリースというシステムの利点である。修理費を請求されるシステムであればリース会社などは利用せず、購入すればいい。
今回のバージョンアップは無償であるのにも関わらず、無償とは感じることができない。
それは、業者に修理依頼するという、面倒な部分をエンドユーザー側へ要求しているメーカーの姿勢と、一般的に考えられているソフトウエア使用承諾の扱いに、差があるからだと思える。
だが、このようなシステムが気に入らなければ、バージョンアップを行わなければいいのである。メーカーを変更すればいい。サービスが気に入らないのであるから、購入を放棄すればいいのである。
メーカー側とエンドユーザー側の話し合いにより、合意し購入するのであるから、私の今回の行動も、合意したから行動したということになる。面倒ではあったが納得(メーカーの要求に合意)した上で行ったものである。
もし、モリサワ側で、無償バージョンアップという行動に対し、評価を得ようと考えているのであれば、少し視点を変えて、このようなシステムの改善を第一に考えた方が、効果が大きいように思う。一般的見地に立ち、どう甘く見ても、無償バージョンアップであるのに、エンドユーザーに対し、ここまで要求するシステムは、経験したことが無いし、思い当たらないからである。
モリサワの書体は、個人的には好きなデザインである。しかし、『プロフェショナルが最も重視する品質は合格』であっても、『アマチュア』を視野に入れない戦略というのは、写研のような結末を迎える可能性が大きい。この文面を見るとモリサワ批判のように受け止められるかもしれないが、そうではない。
写植機メーカーからソフトウエアメーカーへと脱皮したいのであれば、現在のシステムは、これからは通用しそうもないシステムであると、私は警告したいだけである。ソフトウエアを一番利用するのは、一般のデザイナーであり、プリプレスでは出力時に一時的に使用しているすぎない。プリプレスのプロが使用する部分というのは、ほんの一部であり、本当にプロテクト解除を必要としているのは、技術に関しては気にしない、書体の仕組みなどは気にしない一般人であることを忘れてはならない。
バージョンアップなどは、メーカー側の都合でエンドユーザーに対し負担をかけるべではないということである。プリプレスに関わっている技術部などは、ほんの一部である。
しかし、今回の無償バージョンアップと、アウトラインプロテクト(完全ではないが)を解除するという行動は、モリサワという一つの企業の評価につながることは確かだとは思う。モリサワが変わる第一段階であると、信じたい。
(990813)
|
|